【ニューヨーク=平田雄介】国連のグテレス事務総長は15日、アフガニスタン情勢をめぐり市民の安全と人道支援の輸送手段が確保されるよう、タリバンなどに「最大限の自制」をもって行動するよう促した。
国連人道問題調整室(OCHA)によると、タリバンが制圧した地域から1万7600人が首都カブールなど他都市へ逃れた。野宿する人も多数出ている。
治安の悪化が伝えられる中、グテレス氏は報道官を通じ、人道支援が困難になっているとして、支援団体が臨機応変に活動できる環境を確保するようタリバンなどに求めた。また、タリバンが抑圧してきた「女性や少女の将来への懸念」を特に表明した。タリバン支配下の1996~2001年にかけて、アフガンでは女性は働けず、少女の通学が許されなかったためだ。
一方、国連安全保障理事会は16日、アフガン情勢への対応を協議するため緊急会合を開く。グテレス氏が現地情勢を報告し、理事国の一致した対応を目指す。
タリバンによる軍事力を通じた国家樹立を認めないことを確認し、市民を攻撃すれば制裁措置を取る用意があると警告する議長声明を水面下で協議しているという。