東京パラリンピック陸上女子400メートル(脳性まひT38)に出場する竹村明結美(あゆみ)選手(22)が、吹田市立片山小学校で講演を行った。「苦しいときこそ成長のチャンス」と題して、新型コロナウイルスの影響で受けた試練をどう乗り越えたのか、などについて語った。
吹田市在住の竹村選手は、母親の陽子さん(52)と二人三脚でトレーニングに励み、2019年にドバイで行われた世界パラ陸上競技選手権で5位入賞を果たしている。陽子さんが同小で学校看護師・介助員を務めていることから、同小の6年生を対象にした講演が実現した。
竹村選手は、中学1年のときに陸上競技に本格的に打ち込んでおり、「東京パラリンピック出場を目標にしてきた」と話した。しかし昨春、緊急事態宣言の影響で、約1カ月間にわたって練習ができなくなり、精神的ショックから体調を崩したことを告白。さらにパラリンピックの延期も決まり、目標を見失ってしまったという。
それでも、気持ちを切り替えて毎日午前4時半に起床して早朝トレーニングを行い、苦手だった家事にも取り組むようにもなり、生活に前向きな気持ちが持てるようになった経験を伝えた竹村選手。児童たちに「コロナ禍でも、今だからできること、今しかできないことを見つけてほしい」と呼びかけた。
竹村選手は東京パラ出場について「選ばれたからには、精いっぱい走ってきます」と力強く話し、児童らも「頑張ってください」などと声援を送っていた。