アフガン政府崩壊で米、大使館員らの安全退避に全力

【ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米大統領は15日、アフガニスタン情勢に関し、滞在先のワシントン近郊の山荘からテレビ電話形式でブリンケン国務長官、オースティン国防長官ら安全保障担当の高官らと対応を協議した。イスラム原理主義勢力タリバンの攻勢でアフガン政府が崩壊したのを受け、バイデン政権はアフガン国内に残留する米国民の安全な退避に全力を挙げる方針だ。

バイデン大統領は14日、アフガンからの米国民らの退避を支援するため米軍部隊計約5千人の一時増派を承認したと発表。国務省と国防総省は15日、さらに千人の増派を承認し、向こう48時間で増派規模を計約6千人にすると発表した。

ブリンケン氏が15日、米テレビ各局の報道番組で語ったところでは、首都カブールにある米大使館の館員を退避させ、大使館機能をカブール国際空港に移転させた。CNNテレビによると、カブールの米大使館では掲げられていた米国旗が同日降ろされた。

CNNによれば、バイデン政権は、米大使館員約500人をカブール空港から脱出させた。脱出の対象となっている大使館員は総計約4千人。当初打ち出していた、特別移民ビザ(SIV)を申請しているアフガン人通訳の国外脱出は、大使館員の脱出を優先させるため、一時的に後回しにすることを決めたという。

ブリンケン氏は15日、CNNの番組で、米軍によるアフガン進攻の目的は米中枢同時テロの首謀者や実行犯の処罰であり、「その目標は達成された」と指摘。また、「この先何年もアフガンにとどまることは米国の利益に合致しない」と述べ、米軍撤収は正当な行動だったと主張した。

トランプ前政権は昨年2月、駐留米軍を今年5月までに撤収させることでタリバンと合意。バイデン氏は4月、米同時テロから20年となる9月11までに駐留米軍を完全撤収させると表明していた。