タリバン復権、世界経済の新たな火種も

16日、アフガニスタン・カブール市内で警察車両に乗り警備に当たるタリバン兵(共同)
16日、アフガニスタン・カブール市内で警察車両に乗り警備に当たるタリバン兵(共同)

日本企業はアフガニスタンにはほとんど進出しておらず、タリバン復権による直接的な影響を受ける可能性は低い。しかし、中東や中国などを結ぶ交通の要衝で、文明の十字路と呼ばれてきたアフガン情勢の悪化は、周辺地域にも飛び火しかねない。新型コロナウイルス感染拡大で疲弊する世界経済は、新たな火種を抱え込む恐れがある。

外務省はアフガン渡航について、危険の度合いが最も高いレベル4に指定し、退避を促してきた。そのため日本企業の駐在員はもともとゼロに近いのが実情。輸出入をあわせた日本との貿易額も40億円ほどにすぎず、影響はほとんど受けないとみられる。

もっとも、SMBC日興証券の秋本翔太新興国担当エコノミストは「アフガンが再びテロの温床となって国際的なテロ活動が活発化する恐れがある」と指摘。経済面でも中東からの原油供給が不安定になったり、金融市場が動揺する可能性も否定できないという。石油元売り大手の出光興産も「今後の状況を注視していきたい」とビジネスへの悪影響を警戒する。

アフガンは、中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区とも国境を接する。周辺地域が不安定化して中国経済にも混乱が及べば、日本企業も大きな影響を受けることになる。

一方、危機管理の再点検も求められそうだ。日本企業はほかにも、ミャンマー情勢の悪化や東南アジアにおける新型コロナの感染拡大といったリスクに直面している。多様化するリスクを詳細に把握・分析し、適切な対応をとるのは簡単ではない。