【ソウル=時吉達也】韓国の国定記念日「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」の記念式典が14日、オンラインで開催された。文在寅(ムン・ジェイン)大統領はビデオメッセージで「『被害者中心の問題解決』という国際社会の原則と規範をしっかりと守る」とあいさつ。日本との歴史問題で繰り返してきた「被害者中心主義」を改めて強調した。
8月14日は韓国人女性、金学順(キム・ハクスン)さん(故人)が1991年、慰安婦だったことを公の場で初めて証言した日で、今年で30年を迎えた。韓国政府が認定する存命中の元慰安婦は14人となっている。
記念日は2017年、文政権下で定められ、式典は今回が4回目。文氏に続きあいさつした鄭英愛(チョン・ヨンエ)女性家族相は「歴史的事実を究明し、全世界に知らせるための研究活動に支援を惜しまない」と述べた。
慰安婦問題をめぐっては「最終的かつ不可逆的」な解決をうたった15年の日韓政府間合意に基づき、日本政府が10億円を拠出して財団が設立されたが、韓国政府が18年、財団の解散を発表。今年に入り、韓国の地裁が日本政府に元慰安婦らへの賠償を命じるなど、混乱が続いている。