療養者33都道府県でステージ4「首都圏の災害派遣視野に」

新型コロナウイルス感染症の療養者数(人口10万人当たり)が33都道府県で政府の対策分科会が示すステージ4(爆発的感染拡大)の目安となる「30人以上」となり、前週の23都道府県から10県増えたことが、厚生労働省が13日発表したデータで分かった。

療養者数(人口10万人当たり)は沖縄の324・6人が最多で、東京256・4人▽埼玉221・0人▽神奈川148・9人▽千葉130・1人▽福岡127・2人▽大阪124・0人-と続いた。入院率は首都圏の悪化が目立ち、埼玉が全国ワーストの6・7%。神奈川9・5%、東京10・3%、千葉10・6%だった。

病床使用率が新たにステージ4(50%以上)相当になったのは北関東の茨城(65・8%)、栃木(54・2%)、群馬(68・5%)と関西の大阪(61・0%)、兵庫(50・4%)、奈良(59・4%)など。1都3県では重症患者の病床使用率も悪化し、埼玉61・8%(前週33・9%)、東京78・5%(同68・5%)、神奈川86・4%(同50・8%)だった。

新規感染者数(人口10万人当たり)が前週から減少したのは5県しかなかった。

■「首都圏の災害派遣視野に」 東京医科大・濱田篤郎特任教授

全国的に感染・医療提供状況ともにかなり厳しいレベルになっている。特に首都圏では入院率の低下が著しく、もはや病床が余っていないということが分かる。感染力の強いインド由来のデルタ株が猛威を振るう第5波は天井を見通せない。

現状は災害レベルと言われるが、首都圏はまさに医療崩壊寸前で、自衛隊の災害派遣も視野に入ってくる。医官や看護官らに宿泊療養施設での対応などを担ってもらえれば、医療現場の負荷は軽減される。

災害派遣という事態の重大さは心理的な人流抑制効果にもつながるだろう。首都圏ではできる限りの対策を取るべきだ。大型商業施設への休業要請や交通機関の利用制限の導入など、移動に制約をかけるための判断が必要になっている。

感染は主要都市から周辺自治体に染み出しており、地方拠点の自治体から近隣への飛び火が想定される。宮城や愛知は人口10万人当たりの新規感染者数が30人を超え、九州では福岡から全域に広がっている。関西では新規感染者の増加とともに医療の逼迫(ひっぱく)がみられている。沖縄は5月から緊急事態宣言が出ているにもかかわらず、状況は悪化の一途だ。このような中で向かう人がいるのは憂慮すべき事態だ。

疫病は、水害のように1分1秒を争うわけではないが、数日の単位で状況が急変する恐れがある。ワクチン接種の拡大を待っている時間の猶予はない。首都圏の医療はこの先1週間が正念場だ。(談)