PCR検査場に列 政府が自粛呼びかけるも帰省多く

大阪空港に設置されている新型コロナPCR検査センター
大阪空港に設置されている新型コロナPCR検査センター

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、西村康稔経済再生担当相が、「ぜひ中止や延期を考えてほしい」と述べたお盆期間の帰省。一方で、家族の安否の確認などでの帰省を余儀なくされる人たちが事前に検査を受けようと、民間のPCR検査場や空港に設置された検査センターなどでは混雑が続いている。帰省を見据えて独自に検査キットを配布する自治体もあるなど、帰省に対する不安を払拭しようと懸命だ。

13日、大阪国際(伊丹)空港の片隅にある新型コロナPCR検査センターに立ち入る親子連れの姿があった。家族3人で沖縄へ旅行に行くという大阪府茨木市の会社員男性(48)は「航空券の予約をしたときに、航空会社から無料でPCR検査が受けられることを伝えられたので受けることにした。これで安心して旅行に行ける」と話していた。

このセンターを設置した木下グループ(東京)によると、同センターは完全予約制で、検査希望日の5日前から受け付けているが、8月に入ってからは予約でいっぱいになることがほとんどという。

実際、家族で北海道に行くという神戸市兵庫区の会社員男性(45)はPCR検査を受けないまま出発することに。「検査ができることは知っていたが、予約が取れなかった。キャンセルもできないから、このまま行くしかない」と話していた。

空港利用者を対象にした検査は、政府の新型コロナウイルス感染対策の一環として実施。羽田など主要6空港から北海道内や沖縄、福岡、広島と鹿児島に向かう飛行機の搭乗者のうち、希望者を対象に無料でPCR検査と抗原検査を行っている。

出発当日、空港ブースで受けて30分で結果が分かる抗原定量検査のほか、事前に、都内の繁華街にある検査センターで受ける唾液PCR検査、配送された唾液PCR検査キットを事前提出-の3種類がある。

■民間検査場も混雑

民間PCR検査場の利用者も増加している。大阪のほか、東京と名古屋、福岡の4都市で唾液を直接指定場所に持ち込める「クイックPCR検査」を実施しているにしたんクリニック(東京)によると、7月の4連休ごろから利用者が増え始め、この1カ月で約4倍にまで急増している。

担当者は「やむを得ず夏休みに帰省する場合には検査を受けるよう国からの発信もあるので、急いで検査をしている人が増えているのでは」と分析。

今月上旬、自主的に民間のPCR検査を受けた大阪市阿倍野区の女性会社員(28)は「初めて利用したが、検査は10分程度で終わったし、結果もその日のうちに分かったので安心した」と話していた。

帰省を受け入れる自治体のなかには京都府与謝野町のように、はやむを得ない事情などで帰省が必要な同町出身者に抗原検査キットを無償配布する自治体も。

1人暮らしの家族の安否確認や初盆、生活上の諸手続きなどで、同町に帰省しなければならない同町出身者を対象としている。