本質を追究しないのは日本人の特徴である。問題が起きたときに事の本質を徹底的に問いただそうとしない。和を乱すことになるからだ。物事も突き詰めて考えようとしない。だから、明治維新まで自然科学は発達しなかった。
文学や芸術と比較すると分かる。例えば西暦500年から1500年までの一千年、日本一国の生み出した文学は質および量で全欧米を圧倒している。一方、明治維新まで、物の本質を追究する優れた哲学は、欧米に比べないに等しく、自然科学では物理も化学も生み出されなかった。
明治維新後も本質の追究を嫌う癖は消えなかった。