鑑賞眼

OSK日本歌劇団「レビュー夏のおどり」 新トップ楊琳お披露目

OSK日本歌劇団「レビュー夏のおどり」は楊琳(中央)の新トップスター就任のお披露目の場となった(松竹提供)
OSK日本歌劇団「レビュー夏のおどり」は楊琳(中央)の新トップスター就任のお披露目の場となった(松竹提供)

「OSK日本歌劇団」の新トップスターに今年4月に就任した楊琳(やん・りん)のお披露目公演となった「レビュー夏のおどり『STARt』」。6月の大阪松竹座公演に続き、東京でもこのほど上演された。

楊が得意とするダンスの魅力が満載された洋舞レビューの2幕構成(平澤智作・演出・振り付け)だった。「全場面に出たい」という楊のリクエスト通り、トップスターがどの場面にも登場。エネルギッシュなダンスシーンだけでなく、コメディーショーではコミカルな演技でさまざまな〝顔〟を見せていた。

それにしても楊は体形も、歩き方もしぐさも〝男〟そのもの。少し太めの首なんて男にしか見えない。舞台の楊を見ていて、〝本物の男〟と錯覚するほどだった。天性の男役といってもいい。

OSK日本歌劇団「レビュー夏のおどり」(松竹提供)
OSK日本歌劇団「レビュー夏のおどり」(松竹提供)

楊は、横浜市出身の華僑。「祖母からつけてもらった自分の本名が大好き」(ファンクラブの公式サイトより)と、そのまま芸名として使っている。同歌劇団研修所を経て、平成19年に入団した。

大阪松竹歌劇団(OSK)は大正11(1922)年に創立。宝塚歌劇団、松竹歌劇団(SKD)とともに日本三大少女歌劇の一つと称された。

戦時下、空襲で本拠地の劇場が焼失したり、戦後は経営母体が代わり、解散の危機もあった。劇団存続のため、当時の団員たちは並々ならぬ苦労をしたはずだ。そんな苦難の歴史を乗り越えて来年4月、創立100周年を迎える。

OSK日本歌劇団「レビュー夏のおどり」(松竹提供)
OSK日本歌劇団「レビュー夏のおどり」(松竹提供)

楊は「節目の年をトップとして迎えることに身が引き締まる思い」と意気込んでいる。来年はコロナ禍も落ち着き、大阪松竹座(2月)、新橋演舞場(3月)、京都・南座(7月)で100周年記念公演が無事上演されることを祈るばかりだ。

8月5~8日、東京都中央区の新橋演舞場。(水沼啓子)

公演評「鑑賞眼」は毎週木曜日正午にアップします。