農業の脱炭素化、4パーミルで山梨先行

無煙炭化器を使って、剪定枝を炭にする=山梨県山梨市(平尾孝撮影)
無煙炭化器を使って、剪定枝を炭にする=山梨県山梨市(平尾孝撮影)

菅義偉首相が表明した2050年の温室効果ガス排出実質ゼロ目標や、30年度に13年度比で46%削減する政府目標など、脱炭素の動きが加速している。製造業、運輸、エネルギー分野での対応が話題の中心だが、農業分野の脱炭素として「4パーミル・イニシアチブ」という手法が世界的にも注目を集め、日本では山梨県がトップランナーだ。果樹栽培との親和性が高い特性を生かし、「果樹王国やまなし」として認定制度やロゴ策定など際立った取り組みをみせている。

土壌に炭素をためる

パーミルとは1千分の1で、4パーミルとは1千分の4、つまり0・4%のこと。農地などの地表から30~40センチの土壌の炭素量を年間で0・4%増やすことができれば、人間による二酸化炭素(CO2)の排出の影響を帳消しにでき、温室効果ガスの削減につながるという、フランスが2015年のCOP21で提唱した農業の脱炭素手法だ。

具体的には、土壌を耕さないことで地中の有機物をそのままため込む「不耕起」、光合成で炭素をためた草を刈ってそのまま堆肥にしたり生やしたままにしておく「緑肥・草生」といった手法が世界的に認められている。稲作や野菜などの田畑での実施は難しいものの、下草があっても成長や収穫量に大きな影響が出ない果樹栽培にとっては、採用しやすい手法だ。

剪定枝を炭焼きに

これに加え、ほぼ山梨オリジナルといえるのが、剪定(せんてい)枝を活用した「炭素循環」だ。