【ソウル=桜井紀雄】韓国の対日外交を表現する際に不適切な発言をしたとして韓国側の強い反発を招いた在韓日本大使館の相馬弘尚前総括公使が11日、帰国した。日本の外務省が1日付で帰国を命じていた。定例の人事異動の扱いだが、事実上の更迭とみられる。
韓国のJTBCテレビは7月16日、同社記者との懇談の場で、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が日本に対し、独りよがりの外交をしているとの趣旨で「マスターベーション」との表現を使ったと報道。相星孝一駐韓大使が厳重注意したが、韓国外務省が相星氏を呼んで抗議し、「相応の措置」を求めた。
韓国側は、東京五輪の開会式に合わせ、日韓両政府が調整していた文氏の訪日が直前に取りやめになった原因の一つに上げている。
政務担当公使だった熊谷直樹氏が後任の総括公使を務めている。