パラの学校観戦 政府、教育委などに協力要請

東京五輪・パラリンピック組織委の橋本聖子会長
東京五輪・パラリンピック組織委の橋本聖子会長

24日に開幕する東京パラリンピックに向け、政府や大会組織委員会は今週末にも観客の扱いを判断する。新型コロナウイルスの感染拡大で一般客の受け入れは困難な見通しだが、政府は小中高生にチケットを割り当てる「学校連携観戦プログラム」を予定通り実施するため、会場のある東京都など4都県と連携し、各教育委員会などへの協力要請に乗り出した。ただ、感染状況は五輪開催前より深刻化しており、各都県知事の判断も注目されている。(市岡豊大)

「(五輪は)残念だが致し方なかった。パラリンピックは現在の感染状況を見ながら慎重に判断する」

組織委の橋本聖子会長は8日の記者会見で、こう述べるにとどめた。

組織委は当初、観客の扱いを8日の五輪閉会直後に決める構えを見せたが、政府関係者は「7月下旬以降の急激な感染拡大で話せる雰囲気がなくなった」と明かす。決断を今週末以降に先送りしたのは、新規感染者数が下降局面に転じる時期を見極める狙いがある。

厳しい状況下でも、政府がこだわるのが学校観戦の実現だ。障害を乗り越えて世界一の座を競うパラは教育効果も高い。五輪の無観客化を提唱した政府新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長も、地元小学生の観戦は学校からの直行直帰が担保できることも踏まえ、理解を示している。五輪では、観客を入れた宮城、静岡に加え、一般客を断った茨城の3県で学校観戦が行われた。各会場でクラスター(感染者集団)の発生は報告されていない。

実現のカギを握るのが、主催者でもある小池百合子都知事の意向とされる。五輪では有観客に前向きな首都圏の知事もいたが、最終的に無観客を決断した小池氏に追従した。

五輪で無観客を求めた千葉県の熊谷俊人知事はパラの学校観戦には前向きとされる。今月5日にはパラ日本選手団の河合純一団長から学校観戦の実現を要望され「重く受け止め、組織委と協議したい」と語った。

学校観戦の実現には、各教育委員会の理解も重要になるとされる。政府は都内23区の教育委などに水面下で意向を探っている。