孫氏の投資に、中国などの政治リスクが顕在化 - 産経ニュース

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孫氏の投資に、中国などの政治リスクが顕在化

ソフトバンクグループの決算を説明する孫正義会長兼社長=10日、東京都港区
ソフトバンクグループの決算を説明する孫正義会長兼社長=10日、東京都港区

ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は10日の会見で、中国当局の規制強化で株価が下落する中国の投資先企業に引き続き投資していく姿勢を示した。同時に、韓国やインド企業などにも分散して投資していく方針を掲げるなど、米中対立の影響もあって先鋭化している中国企業への投資リスクを回避していく姿勢も強くにじませた。

「アリババ集団なども業績は伸びているので、どこかで株価は持ち直すと信じている」。孫氏は会見で、中国は米国と並び世界の人工知能(AI)技術の中心の一つと強調。今後の中国のAI企業の株価回復を期待し、投資意欲を示した。

SBGの保有株式価値から有利子負債を引いた時価純資産のうち、アリババ集団は6月末時点で約4割を占めるなど、中国企業はSBGの主力投資先で、孫氏は「中国一本足打法といわれてきた」と苦笑した。直近4年間のSBGの投資先として中国企業は時価全体の23%を占める。

ただ、今年4月以降の新たな投資先では、中国企業の比率は11%まで低下した。孫氏は「新たな当局の規制が始まっており、株式市場にどういう影響があるのか様子を見たい」と述べ、当面は中国企業への投資を抑制する考えを明らかにした。

一方、孫氏はSBG傘下の2号ファンドへ、個人の資産から17%、26億ドル(約2900億円)を出資するとも表明。今後も「不退転の覚悟」でリスクを取っていく姿勢を強調した。

ただ、SBGが保有する英半導体開発大手アームの全株式売却が、英国の規制当局から安全保障上の理由で承認が得られていないなど、これまで好調な業績を支えてきたグローバルな投資戦略には、中国以外でも政治的リスクが顕在化している。(大坪玲央)