米、アフガン治安情勢の急速な悪化に「深い憂慮」

米国防総省のカービー報道官(AP)
米国防総省のカービー報道官(AP)

米国防総省のカービー報道官は9日の記者会見で、アフガニスタンで駐留米軍部隊の撤収に伴いイスラム原理主義勢力タリバンが支配地域を急速に拡大している問題で、「現地の治安情勢は悪化している。正しい方向に進んでいないのは明白だ」と述べて「深い憂慮」を表明した。

カービー氏は「過去72時間で約5つの州都がタリバンの手に落ちた」と指摘し、「引き続き情勢を注視する」と語った。

また、状況によってはアフガン政府を支援するため無人機などでタリバンを空爆する考えを示しつつ、「アフガン政府軍はタリバンと違い、航空兵力や現代的な兵器、組織戦の能力などを備えている」と指摘。アフガン政府軍はタリバンに十分に対抗できるとする一方、アフガンの国土や国民を守る責任はアフガン政府にあると強調した。

駐留米軍の撤収作業は、既に95%以上が終了しているとされる。バイデン政権は、駐留米軍の撤収を8月末までに完了させる計画を堅持しており、専門家の間ではタリバンが全土支配に向けて攻勢をさらに激化させるのは必至との見方が強まっている。(ワシントン 黒瀬悦成)