千葉・銚子市沖の洋上浮力発電計画始動

洋上風力発電に関する要望書を熊谷俊人千葉県知事(右から3人目)に手渡した銚子市の越川信一市長(左から3人目)=3日、県庁(小野晋史撮影)
洋上風力発電に関する要望書を熊谷俊人千葉県知事(右から3人目)に手渡した銚子市の越川信一市長(左から3人目)=3日、県庁(小野晋史撮影)

千葉県銚子市沖での大規模洋上風力発電計画が、実現に向けて動き出す。今秋にも国が発電事業者を決定するとみられる中、越川信一市長は漁業者への配慮や名洗港の機能強化などを求める地元からの要望書を熊谷俊人知事に手渡した。越川市長は、「未来に希望が持てる1つの事業となりうる」と期待感をにじませる。

同市沖をめぐっては昨年7月、国が広さ約3950ヘクタールの海域を洋上風力発電の推進に向けた「促進区域」に指定。国は公募による発電事業者の選定を進めており、近く熊谷知事から意見を聞いた上で決める見通し。

越川市長は3日、県庁で熊谷知事に面会。手渡した要望書では、熊谷知事に対し、国から意見を求められた際は、漁業者はじめ地元との共存共栄を理解した発電事業者が選定されるように留意▽促進区域に面した同市の名洗港を、発電施設のメンテナンス港として活用すべく港湾機能の強化に努める▽メンテナンスや部品の供給、製造などへの地元企業の参入に向け、県が支援-などを求めた。

終了後、記者団の取材に応じた越川市長は、「洋上風力は銚子の歴史にとって大きな転換点だ」と強調。熊谷知事からも前向きな発言があったという。

越川市長に同行した銚子商工会議所の岡田知益会頭は、「詳細が決まらない中での過度な期待は禁物」と前置きした上で「身近な所では宿泊や交通、飲食などで具体的な良い芽が出てくれば」と思いを吐露。

一方、日本一の水揚げ量を誇る銚子漁港を拠点とする市漁業協同組合の坂本雅信代表理事組合長は、洋上風力への協力を明言した上で、事業者の選定について「現実に漁業が行われている場所で洋上風力を建てることをしっかりと念頭に置き、漁業との協調や地域貢献をやっていただきたい」と注文をつけた。

同市は、国が昨年実施した令和2年国勢調査(速報値)によると、5年前の前回調査から約5900人も人口が減少。減少数は県内自治体で最も多く、厳しい状況が続いている。(小野晋史)