21~40年世界気温1・5度上昇 10年早まる IPCC

米カリフォルニア州の山火事で焼けた樹木=7日、グリーンビル近郊(ロイター)
米カリフォルニア州の山火事で焼けた樹木=7日、グリーンビル近郊(ロイター)

【ロンドン=板東和正】国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第1作業部会は9日、第6次評価報告書を公表した。温室効果ガスを多く排出すると、2021~40年に産業革命前と比べた世界の平均気温の上昇幅が1・5度を超える可能性が非常に高いとした。直近の分析よりも10年近く早まり、気候変動対策の強化が求められる。

IPCCは気候変動に関する最新の科学的知見を評価する組織で、07年にノーベル平和賞を受賞。1990年以来、数年おきに温暖化に関する報告書を公表している。報告書は、10月末から開かれる国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の交渉に影響を与える可能性がある。

第6次評価報告書は世界の平均気温が11~20年に約1・09度上昇したと指摘。向こう数十年の間に二酸化炭素などの排出を大幅に減少しない限り、21世紀中に上昇幅が1・5度か2度を超えるとの見方を示した。さらに、今世紀末には最大3・3~5・7度上昇する可能性があるとした。

気温上昇が1・5度を超えて2度になると、人間が住むほとんどの地域で極端な高温が増えたり、一部の地域で干魃(かんばつ)の確率が上昇したりすると考えられる。

また、報告書は、温暖化による世界の平均海面水位が1901~2018年の間に約0・2メートル上昇したと指摘。今世紀末までには最大0・63~1・01メートル上昇する可能性があるとした。

IPCCは18年、30~52年に1・5度に達する可能性が高いとの特別報告書を公表。今回、気候予測モデルを改良して分析した結果、時期が10年ほど早まった。温暖化が加速した状況を受け、第6次評価報告書は「人間の影響が大気や海洋、陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」と断言した。

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