五輪体操 男子の世代交代、ジュニアが下支え

【東京五輪2020 体操男子予選】競技開始時、選手紹介される(左から)内村航平、北園丈琉、橋本大輝、谷川航、萱和磨=24日、有明体操競技場(川口良介撮影)
【東京五輪2020 体操男子予選】競技開始時、選手紹介される(左から)内村航平、北園丈琉、橋本大輝、谷川航、萱和磨=24日、有明体操競技場(川口良介撮影)

体操男子は新型コロナウイルス禍で東京五輪が1年延期された間に、大学2年の橋本大輝(順大)、1学年下の北園丈琉(徳洲会)が成長を遂げたことが大きかった。団体総合こそ僅差の銀メダルに終わったが、橋本が個人総合と種目別鉄棒の2冠を達成。北園も4月の右肘の剝離骨折から復帰し、個人総合で5位に入った。

長く内村航平(ジョイカル)が牽引してきたチームの世代交代が進み、水鳥寿思監督は「ジュニア世代を指導する先生方の力で日本の下支えができていた。パリ五輪に向けて日本が強くなっていくと確信している」と語った。

水鳥監督はジュニアとシニアの合同合宿を実施。トップ選手が集まる個人総合スーパーファイナルに、高校生だった北園を強化本部長推薦で出場させて経験を積ませるなどしてきたことも、若い世代の躍進を引き出す一因となった。

日本は2018~19年までロシアと中国に水をあけられ、追う立場だった。国内大会でDスコア(演技価値点)の6種目合計が一定以上の場合は加点するなど内規を設けて難度の底上げを図ったほか、中国との合同合宿で日本選手を刺激して、その差を詰めた。

団体チームの中核を担った萱和磨と谷川航(いずれもセントラルスポーツ)は、五輪で自分たちの出番が終わると、大会中にもかかわらず、鉄棒の新たな離れ技の練習に着手。すでにパリ五輪での団体制覇を目指して始動している。

女子は村上茉愛(日体ク)が種目別床運動で銅メダルを獲得した。日本女子史上初の個人種目のメダルで、次世代にとって大きな励みになる。男子同様、この流れをつないでいくことが重要だ。団体の主軸である20歳の畠田瞳(セントラルスポーツ)は「無観客でなく、普通の盛り上がりがある五輪を一度、経験したい」と2大会連続出場を意識している。(宝田将志)

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