五輪陸上 戦後最多の入賞「9」さらなる高みへ

女子1500メートル決勝 3分59秒95の8位でゴールする田中希実(右)=国立競技場
女子1500メートル決勝 3分59秒95の8位でゴールする田中希実(右)=国立競技場

陸上はメダル2個を含めた入賞が「9」を数えた。前回リオデジャネイロ五輪の「4」から大幅に増え、1992年バルセロナ、2004年アテネの「8」を上回り戦後最多となった。麻場一徳監督は「少しずつステップアップしているかな」と控えめな言い回しで総括した。

メダルを狙った「3本柱」は明暗を分け、マラソンと競歩で一定の結果が出た一方、男子400メートルリレーは決勝でバトンをつなげず途中棄権となった。

男子短距離について、山崎一彦トラック・フィールド種目ヘッドコーチは「日本は好条件での競技会が多い。記録より実力がないといけない。大会序盤の100メートルでつまずきがあると流れに乗れない」と分析。昨季以降、新型コロナウイルス禍で海外遠征に出にくかったが、再び世界に視野を広げ、真の個々の力を見極めていく必要性を強調した。

若手の躍進は大きな収穫だった。21歳の田中希実(豊田自動織機TC)は女子1500メートル8位、19歳の三浦龍司(順大)は男子3000メートル障害7位で、それぞれ日本記録もマーク。20歳の広中璃梨佳(日本郵政グループ)は5000メートルで日本記録を出し、1万メートルで7位に入った。今後、さらに競技力を向上させる質の高い経験を積んでいけるか注目される。

マラソンは、東京五輪を機に国内主要大会と一発勝負の代表選考会を結び付けた「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)シリーズ」を実現できたことが大きい。パリ五輪に向けて同様の方式が検討されている。

河野匡長距離・マラソンヘッドコーチは男女のマラソンについて「暑熱対策の情報が多すぎて(選手の)神経がそちらに行った。もっと無心でレースに入り切れていれば違った順位もあったのではという気もする。日本選手の実力は付いている。実力の出し方を、もう少し詰めていかないといけない」と語った。

(宝田将志)