五輪柔道 目覚ましい個人戦 あとは団体

【東京五輪2020 柔道】柔道男女混合団体戦決勝 喜ぶフランスの選手を横目に、試合後のあいさつに向かう敗れた日本チーム=7月31日、日本武道館(恵守乾撮影)
【東京五輪2020 柔道】柔道男女混合団体戦決勝 喜ぶフランスの選手を横目に、試合後のあいさつに向かう敗れた日本チーム=7月31日、日本武道館(恵守乾撮影)

東京五輪で史上最多9個の金メダルを獲得し、存在感を放った日本柔道が、3年後のパリ五輪へ〝宿題〟を残した。今大会が初実施で、優勝の大本命とされた男女混合団体がフランスに敗れて銀メダルに終わった。個人戦と団体戦。二兎を追う調整戦略が必要になりそうだ。

柔道の個人戦は男女とも軽い階級から行い、最終日の7月31日に実施された男女混合団体は、男女とも3つの階級に個人戦代表が出場して争われた。男女全階級に有力選手がいる日本が優位とされ、これまでの世界選手権も4連覇中だった。

しかし、初戦の準々決勝から波乱だった。女子52キロ級の阿部詩(日体大)、男子73キロ級の大野将平(旭化成)と2人の個人戦金メダリストが敗れる連敗スタート。大野が海外勢に敗れるのは2014年の世界選手権以来で、個人戦2連覇の5日後という試合日程も相まって「団体戦の難しさを感じた」と打ち明けた。

短期間で再びコンディションを整え、ピークを合わせることは容易ではない。男子100キロ級を制したウルフ・アロン(了徳寺大職)は両膝に痛み止め注射を打って個人戦に臨んでおり、団体戦は満身創痍だった。他の選手も個人戦で金メダルを取るには4、5試合を戦う必要があり、減量などによるダメージも大きかったはずだ。

フランスには過去の世界選手権決勝で3度勝ったが、五輪は気迫が違った。

個人戦金メダリスト4人を擁した日本は、初戦で女子70キロ級の新井千鶴(三井住友海上)が同63キロ級金のアグベニェヌに一本負け。1勝2敗で迎えた男子90キロ超級の一戦に、日本はウルフを送り出したが、同100キロ超級で絶対王者と呼ばれたフランスのリネールに屈した。最後は女子57キロ級銅の芳田司(コマツ)が同級銀のシシケに優勢負けで4敗目で敗退。日本と優劣つけがたい陣容に、日本男子の井上康生監督は「海外勢は強く、発展している」と受け止めた。

個人戦を勝つほど蓄積するダメージを団体戦までにどう回復するか。選手個々だけでなく、代表チームとして3年後へ取り組む課題が見つかった。

(田中充)