主張

議員事務所捜索 公明は説明責任を果たせ

東京地検特捜部が、貸金業法違反容疑の関係先として、公明党の2人の衆院議員の議員会館事務所や同党の遠山清彦元衆院議員が代表を務めるコンサルタント会社などを家宅捜索した。

2議員の秘書と元秘書が、貸金業の登録を受けず金融機関の融資を仲介した疑いがある。太陽光発電関連会社「テクノシステム」の社長らが起訴された融資詐欺事件の捜査で浮上した。

公明の山口那津男代表は「国民の皆さまに心配をおかけしていることに心からおわび申し上げたい」と陳謝した。被疑者は公明の2議員でもその下の秘書でもないとし、「誠意をもって捜査に協力する」と述べた。北側一雄副代表は「衆院選への影響ができるだけ小さくなるよう自浄作用を発揮し、二度と起こらないよう対処をしっかりしていく」と語った。

捜査への協力は当然だが、公明は肝心な点を約束していない。

国会議員の事務所が家宅捜索されるのはよほどのことだ。公明が真っ先に取り組むべきは説明責任を果たすことである。

融資仲介の疑いを持たれている秘書は、遠山氏が今年2月、緊急事態宣言発令中に都内のクラブを訪れたことが明らかになって議員辞職するまで、同氏の議員秘書だった。同氏が代表を務めていた政党支部は平成29年、テクノシステム社から100万円の政治献金を受けていた。

公明党は「クリーンな政治」を標榜(ひょうぼう)し、政治とカネの問題に厳しい姿勢をとってきたはずだ。

山口氏は今年6月、自民党衆院議員だった菅原一秀前経済産業相の現金配布疑惑をめぐり、「一刻も早く本人が説明責任を果たす努力を改めて強く求めたい」と述べていた。

他者に求めることは、自らも果たすのが道理だろう。自浄作用は選挙対策というより政治倫理を正すためにこそ必要だ。公明と関係者は肝に銘じてもらいたい。

政治倫理だけでなく、人権問題をめぐっても公明には疑問符がついている。今年6月、ウイグル人弾圧など中国政府による深刻な人権侵害を非難する国会決議は、自公両党の幹事長・国対委員長会談で採択見送りが確認された。

公明は、人権の尊重、政治倫理の確立の看板を下ろさねばならない瀬戸際にいるとの危機感を持ち、原点に返る必要がある。