五輪糧に次こそ輝く 男子400メートルリレーの多田修平

陸上男子400メートルリレー決勝で、スタートする第1走者の多田修平=8月6日、国立競技場
陸上男子400メートルリレー決勝で、スタートする第1走者の多田修平=8月6日、国立競技場

東京五輪でメダルが期待された陸上男子400メートルリレーの日本は、6日の決勝でバトンの受け渡しに失敗し、途中棄権に終わった。第1走者の多田修平(25)は抜群のスタートダッシュを見せたが、2走の山県亮太(29)につなぐことができず、「調子はすごく上がっていた。普段なら届く距離だったけど、つながらなかったのは僕の実力不足」と唇をかんだ。

大阪府東大阪市出身。大阪桐蔭高時代、目立った実績がなかった多田は「大阪の力」で羽ばたいた。関西学院大2年だった2017年2月、大阪陸上競技協会が地元ゆかりの選手を強化する「OSAKA夢プログラム(夢プロ)」の合宿で米テキサス州へ。100メートル元世界記録保持者のアサファ・パウエル(ジャマイカ)らとの合同練習で、スタートダッシュのトレーニングを繰り返した。

すると同年6月、追い風参考ながら9秒94をマーク。8月の世界選手権では400メートルリレーの一員として銅メダルを手にし、「シンデレラボーイ」と呼ばれるようになった。合宿に帯同した夢プロのゼネラルマネジャー、島津勝己(かつみ)さん(56)は「世界の走りを間近で体験し、自信につながっていった」と語る。

陸上男子400メートルリレー決勝で、バトンパスに失敗した第1走者の多田修平(右)と第2走者の山県亮太=8月6日、国立競技場
陸上男子400メートルリレー決勝で、バトンパスに失敗した第1走者の多田修平(右)と第2走者の山県亮太=8月6日、国立競技場

近年は、「10秒の壁」を次々と乗り越えた桐生祥秀(25)や山県らの陰に隠れがちになり、「引き立て役みたい」と自嘲したことも。だが今年6月の日本選手権100メートルでは、ライバルの猛追を振り切り初優勝。初めての五輪切符をつかみ取った。

多田は400メートルリレー決勝から一夜明けた7日、自身のツイッターに周囲への感謝をつづり、「本当に悔しいですが、次こそは、必ず輝きます」と誓った。ほろ苦い結果に終わった五輪を糧に、25歳は一層強くなる。(野々山暢)

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