コロナ禍での五輪開催に世界は注目 フランス「適応能力」評価

東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムの国立競技場=7月22日午後(本社ヘリから、鴨川一也撮影)
東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムの国立競技場=7月22日午後(本社ヘリから、鴨川一也撮影)

新型コロナウイルス禍という異例の状況下で開かれた東京五輪を、世界は8日の閉幕まで注視してきた。1896年に始まった近代五輪史上、戦争で中止された例はあるが1年延期は初めて。とりわけ、夏季五輪の「バトン」を受け取るフランスは東京五輪の運営に熱い視線を向けた。

仏、「適応能力」評価

2024年にパリ五輪が開かれるフランスでは東京五輪での仏選手団の活躍が連日大きく報じられ、パリのエッフェル塔前には大型スクリーンのあるファンゾーンが設けられた。8日の閉会式もスクリーンで生中継。パリ五輪に向けた記念行事が開かれる。

開会式に出席したマクロン仏大統領は6日、ツイッターでフランスが続々とメダル獲得を決めたことをたたえ、「フランスに不可能はない。仏代表にとって、東京での素晴らしい一日になった」と発信した。

パリ五輪組織委員会のエスタンゲ会長は6日、東京の組織委が新型コロナ禍に直面しながら「適応する能力を示した」と評価。パリ五輪の教訓として持ち帰りたいと語った。

東京五輪に関し、1日付仏ルモンド紙は選手村の新型コロナ対策規制が厳しく「祭典の精神が失われた」と嘆いた。一方、フィガロ紙(電子版)は3日、「無観客の中、さまざまな新技術が試みられた」と紹介。立体画像を演出する3Dホログラム、幅50メートルのワイドビジョンなどが競技の臨場感を伝えたと報じた。

米「最も優しい国民」

バイデン米大統領は7日、米選手団とのオンライン会議にジル夫人と参加し、「君たちは米国の魂を体現してくれた」と称賛。ツイッターで、1年延期や新型コロナを乗り越えた選手団を「米国人が確かな夢を持って困難に立ち向かい偉業を成し遂げる国民だと示した」とたたえた。

米国では、体操女子のシモーン・バイルスが2連覇のかかる個人総合決勝などへの参加を断念したことで、選手の精神面への関心が高まった。バイルスは種目別決勝の平均台で復帰し2大会連続の銅メダルを獲得。この間、順天堂大が練習場を提供したといい、ツイッターに「自分の技を取り戻すため個別の練習場を提供してくれた順天堂には一生感謝します」と投稿。「日本人は私がこれまで会った中で最も優しい方々です」とつづった。

韓国「合格点」も…

韓国の聨合ニュースは8日、東京五輪を総括する記事で、開催に巨費を費やしたことや開会式が外国メディアから酷評された点を指摘しつつも「夏季・冬季通じて4度目の五輪を行った先進国らしく、大会運営面では合格点を受けるに十分だった」と評価した。

ただ、韓国選手団が選手村に掲げた横断幕が「反日的」として撤去を求められた点を「理解しがたい措置だった」と批判。原発事故のあった福島県産の食材を避けるため韓国側が給食センターを設けたことに「日本の一部政治家らが言い掛かりをつけたことも残念な部分だった」と主張した。(パリ支局 三井美奈、ニューヨーク 平田雄介、ソウル 桜井紀雄)