【北京=三塚聖平】来年2~3月の北京冬季五輪・パラリンピックを控え、中国は東京五輪の開催に大きな関心を寄せてきた。夏と冬との違いはあるが世界的な新型コロナウイルス禍で開催する五輪の格好の参考事例になるからだ。
国営新華社通信は6日に「無観客開催は大きな功績だった」と評価する記事を配信した。この中で、五輪開催中に日本で感染拡大が深刻になったが、「バブル方式」により選手や関係者の感染率は「一貫して低水準に留まった」と指摘。有観客だったならば、観客と関係者との接触が避けられず、感染力が強いインド由来の変異株(デルタ株)を前に「制御不能」になっていたとの見方を示した。
北京五輪の組織委員会は、海外や中国国内の観客を受け入れるかどうかなどについてまだ表明していない。チケットも販売しておらず、東京五輪や国内外のコロナ感染状況を踏まえて検討を進める見通しだ。現在、中国ではデルタ株の拡大が続いており、北京五輪の開催準備にも影響を与える可能性がある。
新華社の記事は、東京五輪の防疫措置について「強制的ではなかった」と指摘した。中国は海外からの入国者に徹底した隔離を求めるなど厳しい防疫措置をとっており、北京五輪でも同様の対応を続けるという見方が根強い。