歴史作った女子バスケ 「大黒柱」高田の思い結実

【東京五輪2020 バスケットボール 女子決勝】<日本対米国> 第4クォーター 劣勢の展開ながら笑顔でプレーを見る高田真希(8)ら=8日、さいたまスーパーアリーナ(桐山弘太撮影)
【東京五輪2020 バスケットボール 女子決勝】<日本対米国> 第4クォーター 劣勢の展開ながら笑顔でプレーを見る高田真希(8)ら=8日、さいたまスーパーアリーナ(桐山弘太撮影)

男女通じて史上初の決勝進出を決め、大会最終日の8日、世界最強の米国に挑んだバスケットボール女子代表。主将の高田真希(31)は五輪が1年延期された昨年、スポーツの魅力を伝えるイベントなどを企画する会社を設立、アスリートと社長の「二足のわらじ」で地元開催の晴れ舞台に臨んだ。新型コロナウイルス禍で沈む日本に元気と希望を与えたい思いは、歴史的な快進撃の末の銀メダルという形で結実した。

身長185センチの大黒柱は、この日も2メートルを超える大型選手らを相手にゴール下で体を張り続け、チーム最多の17得点を挙げた。試合終了のブザーをベンチで聞くと、チームメートと抱擁。誇らしげに日の丸をまとい、メダルセレモニーでは笑顔がはじけた。

愛知県生まれで、地元の強豪・桜花学園高に進んだ。バスケット部監督の井上眞一さん(74)は「大柄だが相手との間合いの取り方がうまく、身のこなしも軽やか。学習能力も高かった」と話す。秘密は小学4年から中学までバスケットと並行して習い、全国大会で優勝するほどの腕前だった空手。屈強な外国人選手に負けない体の強さ、しなやかさは、日本の伝統武道で培われた。

「あまり多くを語らず、練習を黙々とやるタイプ」(井上さん)だったが、ここ数年は若い選手への面倒見の良さを買われ、代表で主将を務める。米国出身のトム・ホーバス監督(54)も絶対的な信頼を寄せる。

コロナ禍の昨年、「世界で戦っている今だから伝えられることがある」と株式会社「TRUE HOPE」を立ち上げた。日本代表の同僚とのオンライン対談を配信したほか、全国高校総合体育大会や全国中学校体育大会が中止になると、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を通じて中高生と交流、激励した。

昨年12月、代表のエースだった193センチの渡嘉敷来夢(30)がひざに重傷を負い、五輪絶望となるアクシデントに見舞われた際も「残った自分たちがやるだけ」と、ぶれなかった。

メンバー12人がそれぞれの役割を果たし、最後まで走り続ける日本は今大会、世界の強敵を次々となぎ倒した。試合後、「金メダルに届かず悔しいが、誇りに思う。みんなと戦えたことが自分の財産」と語った高田。その顔は、重責を全うした安堵(あんど)と充実感に満ちていた。(原川真太郎、浅上あゆみ)

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