新型コロナウイルス感染拡大「第5波」に伴い、群馬県は終戦から76回目となる終戦の日(15日)に開催を予定していた今年度の「県戦没者追悼式」を中止すると明らかにした。中止は2年連続。高齢の参列者が多く安全を優先すべきだと判断した。県は同日に「追悼の辞」などのオンライン配信を計画している。
約5万人の県出身戦没者をしのぶ追悼式は昭和38年度から始まり、ALSOKぐんまアリーナ(前橋市)を会場に例年開催されてきた。昨年度は規模を縮小して開催を計画したが、感染拡大により初めて中止を余儀なくされた。
県は今年度も当初は90人程度の規模での開催を計画していた。しかし高齢者らの外出自粛を求める警戒度が2日から「3」となり、感染すれば重症化リスクが高い高齢の参列者が多いことを踏まえ、中止はやむを得ないとの判断に傾いた。さらに、警戒度は4日から最高の「4」に引き上げられてもいる。
県は参列者を集めるリアル開催を見送る代わりに、県庁動画・放送スタジオ「ツルノス」からライブ配信を実施する。開始は15日午前11時55分からで、正午の時報に合わせて黙禱(もくとう)をささげる。
「追悼の辞」は山本一太知事のほか、県遺族の会の清水基衛会長が遺族を代表して行う。高崎高校2年の小菅慈人(なりと)さんと高崎女子高校2年の福地(ふくち)絢音(あやね)さんの2人が若者代表として、「平和への誓い」を読み上げる。