東京五輪の新競技で、日本勢のメダルラッシュに沸いたスケートボード。男子ストリートで金メダルを取った堀米雄斗(22)が通った都内最大級のスケートパーク「ムラサキパーク東京」(足立区)では、大会最終日の8日も、子供たちの声がこだました。
午後4時ごろ、室内パークでは、子供を中心に数十人のスケーターたちが思い思いに滑っていた。
堀米が金メダルを取った当日と同じモデルのTシャツを着ていた日浦晴稀(はるき)君(7)は「堀米選手の動画を見て去年の9月から始めた」という。五輪での堀米のトリック(技)も「格好良かった」といい、「怖いこともあるけど楽しい。堀米選手のように大会にも出てみたい」と話した。
父親の涼(りょう)さん(35)は「子供がやるというので15年ぶりに板に乗った。すでに息子のほうがうまくなっている」と笑った。
3年前から息子(10)が通っている足立区の会社員、森田実さん(51)は「新しく始める人が増えるのは良いことだが、スケボーには走る向きなど暗黙のルールもある」と指摘。「衝突などのけががないように盛り上がっていければいいな」と望んだ。
同施設の店長、広岡耕一さん(43)は「五輪を受けてメチャメチャお客さんが増えました。体感では倍以上。世界が変わった」と驚く。金メダリストとなった後も、堀米は何度か店を訪れ、スケートボードを楽しんでいたという。
「五輪はスケートボードを知らない層にも影響があった」と広岡さん。堀米と同じ型のボードを求める人が増え、初心者の姿も目立ち始めた。昔の利用者からも「久々に始めたい」と連絡が来るようになったという。
広岡さんは「女子はパークとストリートの両種目で日本人選手が金メダルを獲得した。今後は女子スケーターも増えるんじゃないか」と期待を寄せていた。