侍ジャパン、全員野球でつかんだ金 それぞれの信念で歴史築く

【東京五輪2020 野球 決勝戦】<日本対アメリカ>試合後に記念写真の日本代表=横浜スタジアム(撮影・松永渉平)
【東京五輪2020 野球 決勝戦】<日本対アメリカ>試合後に記念写真の日本代表=横浜スタジアム(撮影・松永渉平)

侍ジャパンがついに五輪の頂点に立った。7日、横浜市の横浜スタジアムで行われた東京五輪の野球決勝戦で、日本は米国に完封勝利。この日の決勝にさまざまな思いを抱いて臨んだ24人の侍たちが、悲願の金メダルをつかんだ。

九回表、クローザーとしてマウンドに立った栗林良吏(25)が最後の打者を打ち取ると、捕手の甲斐拓也(28)が駆け寄って栗林を抱き上げた。選手らも次々とベンチから飛び出し、喜びを爆発。米ナインと健闘をたたえ合った後、稲葉篤紀監督(49)を胴上げして優勝の喜びをかみしめた。

2008年北京五輪で選手として出場していた稲葉監督は「最高ですね。一生懸命ここまでやってくれてそういう思いがグッときました」と話した。

北京五輪は代表最年少の19歳で出場し、今大会は最年長の32歳で迎えた田中将大。決勝はブルペンで待機し、栗林を拍手で送りだした。

東日本大震災当時、仙台市に拠点を置く楽天に所属していた田中は同学年で侍ジャパンでともに戦う坂本勇人(32)と、1988年度生まれの選手を集めた「88年会」を発足し、被災地の野球少年らと交流。田中は渡米後も被災地の小学校を訪問し、坂本もチャリティートートバッグをデザインして収益を被災地に寄付するなど、常に寄り添ってきた。

国際主要大会で初めて日の丸を背負う柳田悠岐(32)も、故郷への思いを強く持つ。広島市の安佐南区出身で広島商高、広島経大卒。平成30年の西日本豪雨では友人らが被災したことから、募金活動などを通じて地元を支援した。

「自分ができることは限られる。できることはやっていきたい」。そんな信念を抱き戦ってきた。

新たな歴史を刻んだ侍ジャパンの雄姿が全国に感動と勇気を届けた。(塔野岡剛、田中一毅)

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