こだわりと情熱で栄冠 日本AS界の母、井村HC

井村雅代氏
井村雅代氏

東京五輪のアーティスティックスイミング(AS)のデュエット(2人制)とチーム(8人制)で、いずれも4位と奮闘した日本代表「マーメイドジャパン」。歴代代表を率いたヘッドコーチ(HC)の井村雅代さん(70)が7日夜、「五輪での戦いは終わろうと思っている」とHC退任の意向を表明した。「日本AS界の母」として知られ、誰よりも強い思いをかけた43年間の指導者人生に幕を閉じる。

日本のASの歴史は、井村HC抜きでは語れない。自身も選手として、公開競技だった1972年ミュンヘン大会に出場した経歴を持つ。78年に日本代表コーチに就任し、正式種目として採用された84年ロサンゼルス大会から6大会連続でメダルに導いた。

2004年アテネ大会後に一度退任し、中国代表コーチに転身。08年北京大会では同国に初のメダルをもたらすまでに育てあげた。一方、日本はロンドン大会で初めてデュエット、チームともにメダルを逃す。

それだけ日本AS界に重要な存在だった井村HC。14年に日本代表コーチに復帰して立て直しを図ると、16年リオデジャネイロ大会で表彰台に引き戻した。

スパルタ式の練習は、特に有名だ。2キロの重りを腰に巻いて負荷をかけたり、演技に〝慣れ〟が出てくるとハードな振り付けに変えたりした。日本代表OGは「きつかった」と口をそろえる。

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