中国から制裁対象の英議員「日本も外交的ボイコットを」

ティム・ラフトン氏
ティム・ラフトン氏

【ロンドン=板東和正】中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区の人権問題をめぐり、中国政府の制裁対象となった英与党・保守党のティム・ラフトン下院議員が8日までに、オンラインで産経新聞の取材に応じ「中国は国際協力を世界にアピールする場所としてふさわしくない」と来年2月の北京冬季五輪の開催に反対した。北京五輪に首脳や政府使節団を派遣しない「外交的ボイコット」を欧米や日本などがとるよう要望した。

中国外務省は今年3月、ラフトン氏を含む英議員らに対し、中国への入国禁止などの制裁を科すと発表した。英政府がウイグル自治区で深刻な人権侵害に関与したとして、中国当局者らに制裁を科したことへの対抗措置としている。

ラフトン氏は英米などの対中強硬派の議員らで組織する「対中政策に関する列国議会連盟」に所属し、ウイグル自治区や香港の人権問題について批判してきたことから、制裁対象になったとみられている。

ラフトン氏は、ウイグル自治区での人権侵害を踏まえ「中国は、民主主義国家が受け入れられないジェノサイド(民族大量虐殺)という罪を犯している」と指摘。五輪開催地として適切ではないと主張した。

また、東京五輪で金メダルを獲得した中国の選手が毛沢東バッジを着けて表彰式に出たことに触れ、「中国は国際的なスポーツイベントを、プロパガンダ(政治宣伝)として利用している」と非難。「中国は北京五輪も政治的な目的に使うだろう」と予測した。

ラフトン氏は、ラーブ英外相が7月、北京五輪に「出席する可能性は低い」と述べたことから、「英政府は外交的ボイコットに踏み切ると強く信じている」と話した。また、欧州連合(EU)欧州議会が、中国が香港やウイグル自治区の人権状況を改善しない限り北京五輪への政府代表らの招待を辞退するよう加盟国に求める決議を採択したことを歓迎。加盟国が決議に従うことに期待を示した。

米国もペロシ下院議長(民主党)の提唱を受けて「外交的ボイコットを行う可能性が高い」とし、「日本も同様の姿勢を示せば、素晴らしい」と促した。

ただ、大会の開催権限を持つ国際オリンピック委員会(IOC)と中国の間に「非常に友好的な関係があるようだ」と述べ、「開催地が変更される可能性は極めて低いだろう」とした。

人権侵害が問題視される中国が「そもそも開催地に選ばれるべきではなかった」とし、「開催地の選定では今後、候補となる国の人権問題などをより厳しくチェックする必要がある」と訴えた。