デュビIOC統括部長「日本より優れたパートナーいない」

クリストフ・デュビ氏(代表撮影)
クリストフ・デュビ氏(代表撮影)

国際オリンピック委員会(IOC)のデュビ五輪統括部長は8日までに、産経新聞の単独取材に応じ、東京五輪を開催した日本について「世界が新型コロナウイルス危機に直面する中、安全に大会を実現するという目標から一度たりとも逃げなかった」と高く評価した。東京での成果は過去の大会と比較できないほどの意味を持つとして、今後の五輪に生かしていく考えを示した。

デュビ氏は、東京五輪の1年延期について「われわれはオリンピックを延期した経験がなく、全ての契約に再署名し、コスト増を抑えるための経費削減も必要だった」と述べ、その過程は「信じられないほど複雑だった」と振り返った。

コロナ禍の中で「これだけの規模のイベントを世界の誰も経験していない」とも語り、過去の大会と比較できないほどの成果があったと強調した。その上で、延期やコロナという課題に挑戦する中で「日本より優れたパートナーはいない」と称賛した。また、「申し分ないレベルで大会を実現できたことは本当に驚くほどだ」と述べ、大会組織委員会や東京都、日本政府などに敬意を表した。

デュビ氏は、東京での経験を来年2月の北京冬季五輪や2024年のパリ夏季五輪などに生かす考えを強調。東京の組織委が、学んだ知識や教訓を「積極的に北京やパリなどの大会関係者に共有している」と紹介し、東京五輪に関わった人材は今後の五輪でも活躍の場があるとの認識を示した。関係者の輸送や食事、競技会場の運営などに関する東京のデータを活用し、今後の五輪での運用改善を図る考えも示した。

コロナ対策では「(選手らを隔離する)バブルへの懸念があったが、安全は維持された」とし、日本人選手の活躍などで「日本の世論にあった五輪への疑念に変化が起きているのではないか」とも語った。

北京五輪の観客の有無に関しては「世界や中国、北京の感染状況によって判断される」と説明。「状況は日々変化しており、考えを示すには早すぎる」と述べるにとどめた。(坂本一之)