【シンガポール=森浩】アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンは7日、北部ジョズジャン州の州都シェベルガンを制圧した。地元メディアが伝えた。州都陥落は2カ所目。米軍の撤収完了が今月末に迫る中、米軍を後ろ盾としてきた政府軍の劣勢が鮮明となっている。
タリバン広報担当者はツイッターで「警察本部などすべての施設を支配下に置いた」と制圧を宣言した。
地元メディアによると、ジョズジャン州では制圧に伴って、テレビ局などが活動を停止したという。シェベルガンでは約1週間にわたって戦闘が続いていた。
タリバンは6日には南西部ニムルズ州の州都を制圧。各地では政府軍の士気低下が深刻で、ニムルズ州地元議員は産経新聞通信員の取材に「政府軍は戦わずして撤退した」と述べた。
治安状況の悪化を受け、首都カブールの米大使館は7日、国内に滞在中の米国民に出国を呼び掛けた。