米航空宇宙局(NASA)は6日(日本時間7日朝)、火星探査車「パーシビアランス(日本語で忍耐の意味)」が火星の岩石からの初めてのサンプル採取を試みたが成功しなかったと発表した。火星に生命が存在した証拠を見つけるため、地球に持ち帰って分析する試料を集めることを計画していた。今後、原因を分析して再度、採取を試みるとしている。
探査車は地表にドリルで穴を開け、岩石の試料をチューブ状の容器に封入するプロセスを実行。その後、探査車の測定機器が容器にどのくらいの量の試料が入っているかを調べた。しかし、地球に送信されたデータを分析したところ、試料が入っている証拠が得られなかったという。
試料採取に使うチタン製のチューブ容器は全部で43本ある。探査車は今後、搭載しているカメラや分析機器を使って今回の原因を探った上で、次にサンプル採取を試みる時期を決定するとしている。
NASA本部のトーマス・ズルブチェン科学副長官は「私たちが期待していた『ホールインワン』ではなかった。新しい分野の開拓には常にリスクが伴う。将来の成功を確実にするために、解決に向けて忍耐強く取り組んでいく」とコメントした。
探査車は今年2月、約35億年前は湖だったとされる「ジェゼロクレーター」に着陸。その中でも最も深く、最も古い岩盤が露出している可能性のある場所で最初の試料採取を試みた。試料採取に成功すれば、後続の探査機が容器を2030年代に地球に持ち帰る見通しだ。