無観客のスタンドから

アラブの人はおしゃべり好き エキゾチックな喧噪

レスリング競技の会場、幕張メッセ(納冨康撮影)
レスリング競技の会場、幕張メッセ(納冨康撮影)

日本最大級のコンベンションセンター(会議場)として知られる幕張メッセ(千葉市)。柔道と並んで五輪格闘技の代表格であるレスリングの会場は、エキゾチックな雰囲気に包まれていた。

1896年の第1回アテネ大会から行われているレスリングは、ロシアや米国、軽量級では日本も伝統的に強い。中央アジアや中東、東欧でも盛んで、会場にはジョージア、アゼルバイジャン、イラン、ブルガリアといった国々の関係者も多く、ヒジャブ(頭を覆う布)を巻いたムスリムの女性の姿も目立った。

こうした国の男性はみな、がっしりしている。背はあまり高くなくても、体が分厚い。レスリング経験者が多いこともあるだろうが、元々生まれ持ったもの、という感じがした。

記者席に座ると周りは外国メディア、しかもアラブ系の記者ばかり。「アラブの人々はおしゃべり好き」というのは知識として知ってはいたが、みなマスクをしているものの、とにかくよくしゃべる。しかも、何を言っているのか文字通り一言も理解できない。

隣の人と大声で話し続けるのはもちろん、スマートフォンに向かって大声で何事かをまくしたてている人も。電話しているというより記事の口述をしている様子だったが、正直、飛沫(ひまつ)が気になってしまい、別の席に移動した。

大会序盤のコラムで「無観客のせいで色々な音がよく聞こえる」と書いたが、ことレスリングに関しては当てはまらなかった。とはいえ、不思議と嫌な気持ちはしなかった。コロナ禍で密を避けるため、すっかりご無沙汰の「喧噪」を思い出させてくれたからだ。(原川真太郎)

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