全試合を無失点のTフォール勝ち レスリング金の須崎 伊調がプレゼンター - 産経ニュース

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全試合を無失点のTフォール勝ち レスリング金の須崎 伊調がプレゼンター

【東京五輪2020 レスリング】〈女子50kg級 決勝〉中国選手に勝利し、金メダルを獲得した須崎優衣=7日、幕張メッセ(納冨康撮影)
【東京五輪2020 レスリング】〈女子50kg級 決勝〉中国選手に勝利し、金メダルを獲得した須崎優衣=7日、幕張メッセ(納冨康撮影)

得意のアンクルホールドで相手を回す。開始わずか1分36秒、4回転目が10-0のテクニカルフォールの合図だった。「本当にもう、夢みたい」。レスリング女子50キロ級の須崎優衣(早大)は7日の決勝までの4試合全てをテクニカルフォール勝ちで、これで外国勢に70連勝。しかも相手に1ポイントも許さない圧倒的な強さを見せつけ、日の丸を手に笑顔でマットを1周した。

小学1年でレスリングに出合った。2008年北京五輪で吉田沙保里の強さに「自分も金メダルが欲しい」と五輪を意識し始めた。17年世界選手権では五輪4連覇の伊調馨(ALSOK)以来となる高校生世界女王に。順風満帆の競技人生だった。

そんな須崎も大きな挫折を経験した。世界選手権代表を懸けた19年7月のプレーオフ。入江ゆき(自衛隊)に競技人生3度目の敗北を喫し、東京五輪出場が遠ざかった。「目標がなくなってしまった。これから何のために生きていけばいいんだろう」。どん底に落ちた。

立ち直れたのは家族や仲間の信頼だった。「0・01%でも自分の可能性を信じてくれた。頑張ろう」。入江ゆきの世界選手権早期敗退で東京五輪への挑戦権が復活し、そのチャンスを見事にものにした。

今大会の日本選手団では「これからの若い選手の模範になる選手」(尾県貢総監督)として旗手に選ばれた。開会式で先頭に立って行進する中、脳裏をよぎったのは支えてくれた周囲への感謝の思いだったという。「負けた経験があったからこそ、成長できた。あの苦しさを乗り越えたからこそ、今がある」

表彰式でプレゼンターを務めたのは伊調だった。「次も、その次も頑張ってね」と声をかけられた新女王は「もっともっと強くなってさらなる高みを目指したい」。まだ22歳。伊調の大記録再現も、夢物語ではない。(森本利優)

女子50キロ級で優勝した須崎優衣(左)にブーケを渡した伊調馨さん=幕張メッセ
女子50キロ級で優勝した須崎優衣(左)にブーケを渡した伊調馨さん=幕張メッセ

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