【北京=三塚聖平】中国の王毅(おう・き)国務委員兼外相は6日、ASEAN地域フォーラム(ARF)の閣僚会議で「自らの好き嫌いを無理に押しつけたり、民主や人権を表看板に掲げて他国の内政に干渉したり、自らの地理的な利益を求めるべきでない」と述べた。
名指しは避けつつ、新疆(しんきょう)ウイグル自治区の人権問題などをめぐり対中批判を強める米国にくぎを刺した形だ。
王氏は、南シナ海問題をめぐり「近年、域外国家の介入が南シナ海の平和と安定の最大の脅威になっている」と主張。南シナ海での中国の主権主張を退けた仲裁裁判所裁定について「当然受け入れない」との考えを改めて強調した。
北朝鮮の核問題については「米国が北朝鮮との対話再開を望むならば、緊張激化を引き起こしかねない行動をとるべきではない」と強調。米韓合同軍事演習を牽制(けんせい)したほか、対北朝鮮制裁の緩和を求めた。