小田急線刺傷 電車内で無差別殺傷計画か

警視庁成城署に入る対馬悠介容疑者=7日午前6時14分
警視庁成城署に入る対馬悠介容疑者=7日午前6時14分

小田急小田原線の乗客10人が刺傷されるなどした事件で、殺人未遂容疑で逮捕された対馬悠介容疑者(36)は、東京五輪で駅などの警戒が強化される中、無差別に乗客を狙ったとみられる。牛刀やサラダ油を準備し、停車駅の少ない快速急行を選んでおり犯行には「計画性」ものぞく。一方で、すぐ狙いを変え、逃走も自らやめるなど「場当たり的な側面」も見え隠れする。

捜査関係者によると、直接の犯行の契機は、6日の白昼に遡(さかのぼ)る。対馬容疑者は新宿の食料品店で万引をし女性店員に見つかった。新宿署に任意捜査を受け、女性店員に「復讐(ふくしゅう)」をしようと画策したという。

だが自宅アパートから新宿に戻る頃には、店の営業が終了していると考え無関係な乗客に狙いを切り替えた。午後7時ごろ、牛刀やサラダ油を持ち出し駅に向かいその後、快速急行に乗り換えた。停車駅が少なく「逃げ場がなく大量に人を殺せると思った」という。

そして、車内をパニックに陥れた。犯行後は、線路に逃れた乗客に紛れ逃走。その際、居場所の追跡を恐れ、携帯電話を線路脇に投げ捨てた。だが「疲れた」と、ほどなく自らコンビニを訪れ、事件を申告した。

事件は五輪で多くの警察官が街頭や駅で「見せる」警戒に当たる中で起きた。警察関係者は「改めて鉄道事業者との連携を強化したい」とする。

最近は職に就いていなかったとみられ、周囲との接点は乏しく、アパートで住民とすれ違っても、あいさつを交わすこともなかった。深夜に大きな物音を立てたり、数日前にぼや騒ぎも起こしていた。「殺せなくて残念。悔しい」と供述した対馬容疑者。周囲との孤立が犯行に駆り立てたのか。動機の解明が始まる。

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