男子400リレー 日本ミスで棄権、メダル届かず

男子400メートルリレー決勝レース後に多田修平(右端)をねぎらう桐生祥秀(右から2人目)=国立競技場
男子400メートルリレー決勝レース後に多田修平(右端)をねぎらう桐生祥秀(右から2人目)=国立競技場

6日に行われた東京五輪陸上男子400メートルリレー決勝で日本(多田、山県、桐生、小池)は1走から2走へバトンが渡らず途中棄権した。

多田が思い切り伸ばした右手のバトンが、山県に届かない。そのまま2人はテークオーバー・ゾーンを越え、力なく止まった。

男子400メートルリレー決勝。日本は規定のエリア内で1、2走のバトンの受け渡しが完了せず、悲願の金メダルに挑戦したレースは、わずか11秒ほどで幕を閉じた。記録に残ったのは途中棄権を意味する「DNF」の3文字。多田は責任を感じてうなだれ、立って歩き出しても、何度もすぐにしゃがみ込んだ。

「原因は分からない」と多田。山県は「勝負にいった結果」と言った。

日本は5日の予選を1組3着で通過した。バトンパスのミスがないよう、受け手が動き出すタイミングを通常より遅らせる安全策でのリレーだった。決勝では、そのタイミングを早める「攻める」バトンワークで臨んでいた。

この結果の伏線があったとすれば、日本の予選の38秒16が全体で9番目のタイムだったこと。決勝に進出した中で一番遅かったのだ。「思い切り勝負を懸けなければ勝てない」と考えるのは自然な流れだった。

銀メダルを獲得したリオデジャネイロ五輪以降、日本は「個」を強化する方針を打ち出した。伝統のアンダーハンドパスは熟練の域に達しつつあり、バトンワークで削れるタイムの幅は相当狭まっていた。選手個々の走力を上げることに注力し、バトンワークは国内外の大会で磨くことにしたのである。しかし、コロナ禍もあって五輪前、最後に実戦でリレーを組んだのは19年10月の世界選手権。他国のリレーの戦力も把握しにくく、影響は皆無でなかったろう。

テレビの取材を終えて引き上げる4人に、運営スタッフや競技役員からは拍手が送られた。(宝田将志)

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