「最後まで走れた」前田穂南は33位で終幕

序盤、朝日を浴びながら先頭集団を引っ張る前田穂南=8月7日、札幌市内(村本聡撮影)
序盤、朝日を浴びながら先頭集団を引っ張る前田穂南=8月7日、札幌市内(村本聡撮影)

多くを語らず、感情を表に出すことも少ない東京五輪女子マラソン代表の前田穂南(ほなみ)(25)=兵庫県尼崎市出身=が、繰り返し公言した言葉がある。「五輪で金メダルを取る」。7日のレースは33位に沈んだが、「最後までしっかり走り切ることができた」と胸を張った。

中学時代から本格的に競技を始めた。高校は駅伝強豪の大阪薫英女学院高に進んだが、1学年先輩にはエースの松田瑞生(みずき)(26)がいたほか、同級生や下級生も実力者ばかり。全国高校駅伝では3年間補欠という苦渋を味わったものの、ぶれなかった。

高校卒業後は親の反対を押し切って実業団に入団。長い手足を生かした走法で台頭し、五輪代表の座を射止めた。

苦難も続いた。新型コロナウイルス禍で、恒例の米国での高地合宿が不可能に。感染拡大で五輪の開催自体が危ぶまれる状況が続くと、「落ち込むというか、楽しくない方が多かった」(前田)。

それでも「金メダルを取る」と自らを奮い立たせた。ハードルを使った練習を取り入れたり、ゴルフ場にある起伏に富んだ道を走り込んだり。工夫しながら体幹やスピードの強化に励んだ。高校時代に指導した安田功(いさお)さん(59)は言う。「結果よりも、練習の成果を思う存分発揮してほしい」

7日のレース序盤は先頭集団にいたが失速した。「周りに左右されずに走っていこうと思っていた」と前田。ひたむきな25歳の42・195キロが終わった。(小川原咲)

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