酒規制や時短に不要論も… 静岡県で蔓延防止、異なる思惑

医療提供体制について協議した静岡県感染症医療専門家会議=5日、県庁(田中万紀撮影)
医療提供体制について協議した静岡県感染症医療専門家会議=5日、県庁(田中万紀撮影)

「店が悪いのではない」

そして「商工会議所からも要望があった」として「店が悪いのではないと申し上げたい。『飲み方』の問題で、市民には酒を飲んでもマスク会食、と行動に節度を促したい」と強調。さらに県が「生活維持に必要な行動以外は一歩も外出しないで」と訴えていることに対しても、「『一歩たりとも外に出るな』とは言いすぎだ」と言及した。

だが実際には県は、静岡市内にも酒類提供自粛と、大規模施設への時短要請も適用した。「酒が入ると自制が利かなくなるのが人間。クラスターが起きた飲食店はいずれも酒類提供店で、感染リスクが上がることは間違いない」(県の感染症対策担当者)のも確かで、「節度」の呼びかけレベルでリスクが回避できるか、予断を許さないためだ。

ステージ4は目前

また感染経路はともかく、静岡市内の週間での人口10万人当たり新規感染者数は6日時点で24・73人と「ステージ4(爆発的感染拡大)」(25人以上)相当が目前となっており、前週比では2倍以上で、増加傾向は続いている。

ただ、現在のクラスターは職場などが多く、飲食店が主流でないのは県全体も同じ。今回は大規模施設にも時短要請となるものの、田辺市長が「今まで飲食店がすべての根源というように言われてきた」と疑問を呈したように、従来株の感染時に設定された飲食業界に厳しい構造の対策だけで、デルタ株に抗しきれるのか-との疑問は残る。

蔓延防止等重点措置発出の最大の目的である「人流」と「接触」の抑制という大原則を、県民に理解して行動に移してもらえるよう、行政には真摯な説明をする必要がある。(今村義丈、田中万紀)