快進撃演出する小さな司令塔 バスケ女子・町田

アシスト記録を打ち立てた町田瑠唯(左)を祝福する選手たち=6日、さいたまスーパーアリーナ(恵守乾撮影)
アシスト記録を打ち立てた町田瑠唯(左)を祝福する選手たち=6日、さいたまスーパーアリーナ(恵守乾撮影)

史上初の4強に進出し、6日の準決勝でフランスに快勝して銀メダル以上を確定させた日本女子バスケットボール。小柄ながら圧倒的な運動量で相手にプレッシャーをかけ続け、高確率の3点シュートを連発するスタイルの中心が、ポイントガードの町田瑠唯(28)だ。162センチの小さな司令塔は圧巻のパフォーマンスで、日本を悲願のメダルに導いた。

フランス戦、町田は190センチ以上の大型選手が待ち構える相手のゴール下に突っ込み、絶妙のタイミングで得点につながるパスを味方に供給し続けた。この日は五輪の1試合最多記録を更新する18アシスト。試合後、「(決めてくれた)みんなに感謝しています」と、はにかんだ。

北海道出身で、小学校からバスケットを始めた。シュートよりドリブルに魅力を感じ、家の中でもボールを離さず、床がへこむほど練習。「小さな体では無理」という周囲からの声を押し切り、「日本一になりたい」と地元の名門、札幌山の手高に進学した。

入学当初は今よりも小さい156センチ。体重は30キロ台後半だった。コーチの上島正光さん(77)は「体づくりのため、必死に食べていた」と振り返る。

当時からスピードと持久力はあったが、印象に残っているのは精神的な強さ。「いつもにこやかで口数も多くないが、慌てず、ぶれることなく常に淡々としている。教えることのできない資質を持っていた」

高校3年の時にはインターハイ、国体、ウインターカップの「高校3冠」を達成。前回リオデジャネイロ大会で初めて五輪を経験、8強入りに貢献した。

今大会は、ここまで毎試合2桁アシストを挙げ、攻撃を牽引(けんいん)し続けている。チームメートも「動いたところに必ずパスをくれる」と、全幅の信頼を寄せる。上島さんも「小さな体で活躍する姿は日本の子供たちに勇気を与えている」と教え子の成長に目を細めた。

大会最終日の8日に行われる決勝の相手は、予選で敗れた五輪6連覇中の米国。「自分たちの目標は金メダル。チームで勝ち切りたい」。町田は力強く言い切った。(坂本隆浩、原川真太郎)

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