東京五輪・女子ゴルフの最終ラウンドが7日、行われ、稲見萌寧が銀メダルを獲得した。
世界ランキング1位のN・コルダ、元世界1位のコと並んで立った表彰台で、稲見は満面の笑みを浮かべた。「人生の中で1番の名誉。日本開催の五輪で、日本人がメダルを取れたのが1番うれしかった」。今年国内5勝の活躍で五輪切符をつかんだ22歳は誇らしげに語った。
逆転優勝を狙った最終日。前半で2つ伸ばすと、後半は12番から4連続バーディーと猛烈な追い上げをみせ、17番のバーディーで首位に並んだ。だが18番(パー4)の第2打が右手前のバンカーに入って「目玉」に。「前日のグリーンオーバーが頭をよぎって振りきれなかった」。2日連続のボギーで金メダルを逃し、銀メダルを懸けたプレーオフに回った。
ツアーでは実施されない〝2位決定戦〟。「がっかりしていても次につながらない。プレーオフの勝率は100%。それを貫き通す」。過去3度経験し、すべて制したプレーオフの舞台は因縁の18番。持ち前の正確なショットで今度は確実にグリーンをとらえてパーをセーブすると、第1打をバンカーに入れたコがパーパットを外して決着がついた。ビッグネームとの大勝負にも物おじは一切なく、キャディーを務めた奥嶋コーチは「リディア・コと回れてうれしいって言ってました」と笑った。
海外勢を相手に強さを示しても、米ツアー挑戦はまだ頭にない。「日本で頑張って、永久シードを取るのが1番の目標」。5月を最後に優勝から遠ざかる国内ツアーにメダリストとなって来週から戻ってくる。(奥村信哉)