宮城で有観客のサッカー、選手からも感謝の声

サッカー日本女子代表が試合後、ロッカールームのホワイトボードに書き残した感謝のメッセージ=宮城県利府町のキューアンドエースタジアムみやぎ
サッカー日本女子代表が試合後、ロッカールームのホワイトボードに書き残した感謝のメッセージ=宮城県利府町のキューアンドエースタジアムみやぎ

大半の競技が無観客で開かれた東京五輪は8日に閉幕する。宮城県利府町のキューアンドエースタジアムみやぎ(宮城スタジアム)で7月下旬、観客を入れて6日間にわたって計10試合が行われたサッカー競技は、大きなトラブルもなく無事終了。選手や観客らから感謝や評価の声が上がり、村井嘉浩知事は「やってよかった」と総括した。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、1試合当たり最大1万人に抑えられた観客数は、実際には6日間の合計で約1万9300人だった。有観客をめぐっては、感染拡大の懸念から仙台市の郡和子市長や隣県の山形県知事が反対していたが、村井知事は「もう少し入っても大丈夫だったのでは」と話した。

宿泊や飲食などの経済効果に関し、七十七リサーチ&コンサルティングの田口庸友首席エコノミストは、全試合が満員の観客(計約30万人)だった場合の80億~100億円に対し、1億~1億5000万円程度にとどまったと推計する。

また、東日本大震災の被災地として期待した「復興五輪」の発信力が限定的になったことは否めない。海外からの観客は受け入れられず、「被災地から感謝の気持ちを表現するのは難しい」(郡市長)という状況になったためだ。

それでも、観客が見守る中でプレーをした選手からは感謝の声が上がった。

「有観客という素晴らしい舞台を準備して下さり本当にありがとうございました!」。7月27日の試合後、女子日本代表「なでしこジャパン」は、スタジアム内のロッカールームのホワイトボードにこんなメッセージを書き残した。

7月21日の試合を観戦した高校1年の女子生徒2人は「無観客になるか心配だったが、試合を見られてラッキー」と声をそろえた。JR仙台駅東口で震災の教訓などを語り継ぐ活動をしたボランティアの小笠原真紀さん(51)も「有観客になったからこそ、語り部活動ができた」と話した。(大柳聡庸)