卓球男子団体3位決定戦で、日本が韓国を破り、銅メダルを獲得した。
渾身(こんしん)のフォアドライブで第4試合を制し、銅メダル獲得を決めた水谷が両手を突き上げると、ベンチから声援を送った張本が一目散に駆け寄る。遅れてコートに入ってきた丹羽と倉嶋監督も加わり、歓喜の輪ができた。2016年リオデジャネイロ五輪の「銀」に続く2大会連続の表彰台。五輪初出場でメダリストとなった張本は「最低限、次のパリにつなぐ仕事ができた」と重みをかみしめた。
韓国との3位決定戦は、今大会限りでの代表引退を表明している水谷の独壇場だった。ダブルスでは試合ごとに連係を深めてきた丹羽との左利きペアで相手の18年世界選手権3位ペアを撃破。リラックスした状態で第2試合に送り出された張本は、張とのエース対決を3-1で制した。
丹羽が敗れて迎えた第4試合では水谷が張を翻弄。相手が打ちにくい体の正面を突いたり、視線とは違う方向にラケットを払ったりと、巧みな台上技術で過去2戦2敗の難敵を退けた。
五輪に4大会連続で出場し、ロンドンとリオでは団体戦無敗だった水谷にとっては、エースの座を張本に引き継ぐ大会だった。32歳は団体戦で全勝した張本を「彼なら十分に今の日本を引っ張ってくれる」と激励。18歳の張本は「リオの水谷さんに比べて安心感が足りない。次の五輪はもっと安心感を与えられるエースになりたい」と決意を述べた。リオでシングルス銅と団体銀、東京で混合ダブルス金と3色をそろえたレジェンドが、最後の仕事を完遂した。(奥村信哉)