PHVシフトが鍵 米・新車5割電動化で日本メーカー戦略見直し

2030年に新車販売の5割を電動化する目標を明記した大統領令に署名するバイデン米大統領=5日、ホワイトハウス(AP)
2030年に新車販売の5割を電動化する目標を明記した大統領令に署名するバイデン米大統領=5日、ホワイトハウス(AP)

2030年に新車販売の5割を電動化するという米バイデン政権の目標は、日系自動車メーカーが強みを持つハイブリッド車(HV)を含めず、「脱ガソリン」を強力に推進するという内容だ。日系メーカーは、外部電源でも充電ができるプラグインハイブリッド車(PHV)へのシフトを進め、海外勢に後れをとる電気自動車(EV)の開発を加速させるなど戦略の見直しが求められることになりそうだ。

日系メーカーの電動化戦略の基本にあるのは、国・地域のエネルギー事情や顧客の好みに応じた全方位型のスタイルだ。

国土が広い米国では、ピックアップトラックやスポーツ用多目的車(SUV)などの大型車に人気がある。こうした車を電動化するには車載電池の容量を増やす必要があり、コスト負担が重くなるという課題がある。

トヨタ自動車は5月、30年に北米の電動車販売比率を70%とする目標を示したが、EVと燃料電池車(FCV)の割合は15%にとどまる。バイデン政権の目標に対応するには、PHVが鍵を握る。

ホンダは30年に北米の新車販売でEVとFCVの比率を40%にする目標を掲げる。米ゼネラル・モーターズ(GM)と業務提携し、北米向けEVや電池システムの共同開発を進めており、「ルールが変われば必要に応じて修正する」としている。

トヨタや日産は、1回の充電で長い航続距離を実現できる次世代型の全固体電池の開発を進めている。世界的に「脱ガソリン」に向けた動きが加速すれば、さらなる技術革新に向けて研究開発費が膨らむ可能性もある。(宇野貴文)