サッカー男子 背中で、優しさで…3主将チーム紡ぐ

3位決定戦の後半、競り合う吉田麻也(左)=埼玉スタジアム(蔵賢斗撮影)
3位決定戦の後半、競り合う吉田麻也(左)=埼玉スタジアム(蔵賢斗撮影)

歴史の厚い壁にまたも阻まれた。サッカー男子3位決定戦で6日、日本はメキシコに惨敗し、1968年メキシコ五輪でメキシコを下して以来の銅メダルを逃した。9年前と同じ結果となった主将、DF吉田麻也(32)を筆頭とする3人のキャプテンが率いたチームの宿題は後進に託される。

試合終了のホイッスルが鳴ると、吉田は泣き崩れる仲間の肩を抱いてなぐさめながら、ピッチを後にした。その光景は9年前に重なる。

2012年ロンドン五輪は準決勝でメキシコに敗退。3位決定戦で韓国にメダルをさらわれたときも黄色いマークを巻いていた。

自然とリーダーになっていた。地元・長崎市での小学6年のサッカー大会。選手が足りず、3チームが共闘した。シュートを外しても「よくチャレンジした!」と声をかける吉田に、面識のない選手も「麻也の言うことなら従う」と口にした。

この日の試合後、「メダルで恩返ししたかったです」と声を詰まらせる一方、「これで終わりじゃない」とも話した。

倒れても再び起き上がる-。そんな男だ。

悔しさを胸に秘めていた選手はもう一人いる。MF遠藤航(28)は2016年リオデジャネイロ五輪で主将を務めていたが、1次リーグで敗退した。

小学校のころは負けるたびに泣いていた。だが、負ける辛さを知る横浜市の少年は中学3年には初心者もいるチームを主将としてまとめ、湘南ベルマーレユースに。当時のコーチ、西村岳生さん(49)は「自分の背中を見せて引っ張っていくタイプ」と明かす。

吉田が言葉で鼓舞し、遠藤が背中で語るとすれば、U-24の同世代のキャプテン、DF中山雄太(24)は優しさでチームをまとめる。

地元・茨城県龍ケ崎市の中学では勝負にこだわったが、仲間は責めなかった。当時の顧問、根本清史さん(60)は「仲間のモチベーションが下がらないような声かけ」を思い出す。

三者三様のキャプテンが紡いだチーム。記憶に刻まれるのは、メダルだけではない。(木下未希、竹之内秀介)

会員限定記事会員サービス詳細