「ニンジャ」楢崎、ルーツは幼少時の器械体操と木登り

男子複合決勝スピード スペインのアルベルト・ヒネスロペスとの対戦で壁を駆け上がる楢崎智亜=青海アーバンスポーツパーク
男子複合決勝スピード スペインのアルベルト・ヒネスロペスとの対戦で壁を駆け上がる楢崎智亜=青海アーバンスポーツパーク

東京五輪から正式種目となったスポーツクライミングの男子複合。5日の決勝に楢崎智亜(25)が登場した。1点差で4位となり、惜しくもメダルは逃したものの、鮮やかな身のこなしで高みを目指す姿が観客の胸を高鳴らせた。

「ニンジャ」。圧倒的な運動能力と軽快な身のこなし、ダイナミックなムーブで、海外勢からこう称される楢崎。そのルーツは幼少期に夢中になっていた器械体操と木登りにある。実家近くや学校の校庭の木に登り、落ちてケガをしてもお構いなし。クライミングはそうした遊びの延長の中で出会った。

「ゴールに向けて自由に登り方を組み立てられることに魅力を感じたようだ」。そう話すのは楢崎が中高時代に通っていた「クライミングジムZE―RO」(宇都宮市)社長の小菅雅之さん(51)だ。

不規則に並ぶホールド(突起物)に対し、攻略方法を考えながら登るボルダリング。小学5年で習い始めた当初から「瞬発力があり天才型」(小菅さん)だったという。体操で培った柔軟性と跳躍力にずぬけた発想力も加わり、クライミングの能力を開花させた。

高校3年でプロ入りを決めたものの、当時はメジャースポーツではなく、五輪種目でもなかった。家族からも反対されたが、諦めなかった。

小菅さんは当時の楢崎の言葉を覚えている。

「夢はかなえるものだ」

プロ入り2年目、日本人初の世界選手権とW杯で2冠を達成し、有言実行を果たす。小菅さんは「掲げた大きな目標に実力が追い付いている」と称賛する。

頂点を目指した5日の決勝。難関のリードに備え「スピードとボルダリングで1位をとるつもり」で臨んだが、スピードでは足を踏み外す場面もあり2位、ボルダリング3位、リード6位だった。

結果は銅メダルを獲得したヤコブ・シューベルト(オーストリア)と1点差で全体4位。「反省点がたくさんあった」と振り返りながらも、「どの選手も本当に強く、勉強になった」と前を見据えた。(内田優作)

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