WHOテドロス事務局長 3回目接種9月末まで見送るよう要求

WHOのテドロス事務局長(AP)
WHOのテドロス事務局長(AP)

【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は4日のジュネーブでの記者会見で、新型コロナウイルスワクチンの接種が遅れる途上国への供給を優先させるため、3回目接種について最低でも9月末まで見送るよう呼びかけた。

3回目接種をめぐっては、イスラエルが1日、60歳以上の市民を対象に本格的に開始。ドイツが9月から、スウェーデンが早ければ秋から高齢者らを対象に実施する方針を決めた。英政府も9月の開始を検討している。

テドロス氏は今月4日の会見で、3回目接種によって感染力が強い変異株から自国民を守りたいという各国政府の意向を「理解できる」と述べた。

その上で、「(途上国で)何億人もの人々が初回の接種を待っているにもかかわらず、世界で供給されているワクチンの大半をすでに使用した国々がさらに多くのワクチンを使うことは受け入れられない」と強調した。

テドロス氏によると、高所得国では今年5月に100人当たり約50回の接種が行われ、その後倍増した。一方で、低所得国では供給不足のため、現時点で100人当たり約1・5回分しか接種されていない。

テドロス氏は、3回目接種を9月末まで停止することで、全ての国のワクチン接種率を少なくとも10%に引き上げられるとの見方を示した。