本紙既報通り、中国の王毅国務委員兼外相は7月28日、天津市でアフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンの幹部と会談した。鄧小平時代以来の中国外交史上、これほど異例、異様な会談はない。
外相としての王氏の、しかるべき会談相手は本来、各国政府の外交責任者であろう。王外相がアフガニスタン政府の代表ではなく、その国内の一勢力幹部と会談すること自体はまさに異例。アフガニスタン政府と公式の外交関係を持ちながら、その敵対勢力と会談を持ったことは、相手国の内政に対する乱暴な干渉であり、アフガニスタンとの国家間関係を壊してしまう恐れもあるだろう。
さらに重要なのは、タリバンがテロ活動を行っている疑いを持たれている組織であることだ。実際、今年5月にカブールで58人が死亡した爆弾テロが起きたとき、アフガニスタンのガニ大統領は真っ先に「タリバンによるテロだ」と非難した。