楢崎メダル届かず「めちゃくちゃ悔しい」

男子複合決勝 リードを終え、待機する楢崎智亜。4位でメダルを逃した=青海アーバンスポーツパーク
男子複合決勝 リードを終え、待機する楢崎智亜。4位でメダルを逃した=青海アーバンスポーツパーク

取材エリアに現れた楢崎智は、苦渋の表情を浮かべた。男子複合で目標のメダルに一歩届かず4位。黄昏時から夜にまで及んだ戦いを終え、「反省点がたくさんある大会になってしまった。めちゃくちゃ悔しい」と振り返った。

得意とするスピードとボルダリングで順位を稼げなかったことが痛かった。トーナメント方式で順位を争う1種目目のスピード。1位を懸けたレースの序盤に足を滑らせた。先着を許し、天を仰いだ。2種目目のボルダリングは第1課題を難なくクリアしたものの、第2課題、第3課題ともに攻略できずに3位だった。最終種目のリードは最も苦手とする種目で6位に沈んだ。

小学5年で競技を始め、「クライミングが好き。これで生きていけたら最高だなと思った」と高校卒業後にプロになった。大学進学を勧めた父からは「2年間やって駄目だったら辞めたほうがいい」との条件を付けられていた。

1年目で結果を残せず、2年目の2016年に飛躍を遂げた。ボルダリングで世界選手権優勝とワールドカップ(W杯)年間総合優勝。19年は世界選手権複合王者になった。

幼少期に器械体操で培った身体能力の高さが武器。課題を作るルートセッターの想定を超えた登りで、数々の難題をクリアしてきた。その様子から「NINJA(忍者)」の異名がついた。

金メダル候補として迎えた東京五輪は、「空気感が違った」という。大舞台でその持ち味を発揮できなかった。「(9月には)世界選手権もある。反省点を生かさないと」を先を見据えた。(久保まりな)

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