卓球・平野美宇、リオ「控え」の挫折から成長

卓球女子団体決勝に臨む平野美宇=5日、東京体育館(川口良介撮影)
卓球女子団体決勝に臨む平野美宇=5日、東京体育館(川口良介撮影)

王者・中国を相手に0-2で迎えた卓球女子団体決勝の第3試合。後がない日本の最後の砦となったのは平野美宇(みう)(21)だった。持ち味の高速卓球で食い下がったものの、力及ばずストレートで敗戦。念願の頂点には届かず、石川佳純(かすみ)(28)、伊藤美誠(みま)(20)とともに目を潤ませ悔しさをにじませた。それでも女子団体として3大会連続の表彰台となる銀メダル。会場の関係者から大きな拍手が送られた。

平野はこの決勝にひときわ強い思いを抱いて臨んでいた。2016年のリオデジャネイロ五輪、代表を逃した平野は、控え選手として帯同。14年ドイツオープンで、親友でライバルの伊藤との「みうみまペア」で最年少優勝するなど、好成績を飾っていた直後の挫折だった。

母の真理子さん(52)は「『美誠ちゃんと差がついた』といわれて、『もうどうでもいいや』となったようです」と振り返る。

世界と戦うためには、相手のミスに乗じる「安定型」から、球威があってたたみかけるような「攻撃型」に脱皮しなければならないと悟り、大胆にプレースタイルを変えた。

体幹トレーニングを積み重ね、スイングに力をつけた。反応も瞬発性を増した。粘り強いトレーニングは実を結ぶ。16年のワールドカップ優勝を皮切りに快進撃を続け、昨年1月、悲願の五輪代表をつかんだ。

真理子さんの脳裏によみがえるのはあの夏の日だ。07年7月29日、7歳の平野は全日本選手権バンビの部で優勝を果たした。試合後の取材に、いつもなら「キティ屋さんになる」と話していた平野が突然こう答えた。

「夢はオリンピックで金メダル!」

初の五輪は銀メダル。「この舞台に立ててすごく楽しかった」。夢は、パリに続く。(内田優作、王美慧)

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